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山梨県

岩殿山〜稚児落し(前半)

2004.02.21(土)  初級向け  徒歩3時間35分  標高637m  駅発 眺望よし
岩殿山
国道から見た、岩殿山
(画像クリックで拡大)

データ

岩殿山は、JR大月駅の北東にある、大きな岩壁が特徴の山。標高637m。見た目は厳しいが、登山道は整備され比較的容易に登ることができる。山の中腹には丸山公園が、山頂付近には岩殿城跡があり、いずれも富士山の展望に優れ、春の桜も有名だ。

岩殿山往復のみであれば花見客も登るらしいし、何の問題も無い(?)が、稚児落しへの縦走コースには、2ヶ所鎖場があるという。小学校高学年以上であれば難なくクリアできるだろうとの紹介があったが、しかし、鎖場なんて通った事無い初心者な♀の作者としては、ちと怖い。いったい、どの程度の鎖場なのか、作者が行っても大丈夫な鎖場なのかどうか、インターネットで検索しようとしたが、出てくるのは頼もしげな男性の単独行ばかり。いずれも口を揃えて「楽しい」と・・・・(信用ならん)(−−;

とはいえこれは、初級向けとして紹介されているコースだ。「日本の滝100選」の難所の滝を目指すなら、言わば最初の一歩だ、と、思う。ここは勇気を出して、鎖場 初挑戦する事にした。徒歩3時間35分コース。

マップ
大月駅前にあった、マップ。
歩いたルートは、黄緑で引いたライン。大月駅→岩殿山→天神山→稚児落し→浅利→大月駅(予定にあった「真木温泉」は、パス)


ところで今回は、複数人数で箱根方面へ行く予定だったのが、前日夜にドタキャンがあり夫婦2人だけになったため、少々バージョンダウンを決めた。岩殿山に変更したのは、鎖場以外には、さほど大変なルートではないようだし、移動時間・徒歩時間とも短縮になるので、その分の時間、温泉だ〜!という目論見であった。

このところ、夫婦とも多忙で疲れていたので、今回は贅沢して良い!という事に決めた!往復JRは特急利用で、昼食は弁当は作らず、大月駅の名物駅弁だという「釜めし」を買う事に決め、温泉は一軒宿、真木温泉1000円もする日帰り入浴だ♪ 帰りはバスが無ければタクシー2000円だって言うけど、乗っちゃうゾ〜♪

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アプローチ

根津 08:01発に乗る。
08:12御茶ノ水発 中央線に乗り、新宿08:22着。乗り換えはそのまま同じホームで待っていた、特急かいじ101号 08:30発に、そして大月には09:38に到着してしまうというのだから、特急ってスゴイ!!

滅多に乗らない特急電車は快適だった!座席はリクライニング、広くてリラックス。トイレにも感動した。折りたたみのベビーシート付、便座クリーナーペーパーも備え付けあり、そして暖房便座である。往路は自由席でも充分座れたが、途中駅でけっこう乗り降りがあり、大月ではけっこう席が埋まっている感じだったので、帰りは指定席を確保する事にした。(「かいじ」「あずさ」の編成図が大月駅にあったので撮って来たので掲載しとく。)

踏切
ここで踏切を渡るのが順路。

車内で靴紐を締め、トイレも済ませる。大月駅に到着し、まずは帰りの指定席の確保だ。温泉が16:00までだというので、16:45発の電車だと時間を余す。その前の16:00発の指定席を購入。今日は2人とはいえ、けっこう時間が忙しいゾ、と思い、とっとと歩き始める事にする。09:43歩き始め。

コース

駅を出てすぐ左の商店街へ。「大月税務署」への看板が目立ったが、これは確定申告が終わったら撤去されちゃうかも(?)。商店街には「岩殿山登山口」のアーチもあり、この道で正解と安心する。

まもなく、商店街に別れを告げ、踏切を渡る事になるのだが、踏切方面には「大月税務署」の看板が立つだけで、商店街の続きに「岩殿山登山口」のアーチがかかっている(写真)。思わず商店街の方に行きそうになるが(行っても、岩殿山には行けると思うけど)、地図で確認した順路は、ここで踏切を渡る。踏切の向こうにある東京電力の周りに沿って歩き、つきあたる車道を、右へ行く。車道はまもなく国道139につきあたり、今度は左へ。

高月橋から桂川
高月橋の上から

すぐ、高月橋を渡る。
これは橋にさしかかって驚いた。桂川が、深〜い場所にある。見下ろす深さは、30mくらいはありそうだ。本当は真下にカメラを向けて撮りたかったが、危険なためか柵が高くてナナメなアングルで写真を撮る。

岩殿山入口
岩殿山入口

高月橋の向こうにはもう、岩殿山がど〜んと迫っている。国道が山に沿うように右へカーブして、坂を上っていくと、まもなく左手に岩殿山の入口が。●駅〜入口 15分

登山道
2月とは思えぬ日差し。
そして、きつい登りは続く。

岩殿山登山道は、登山道というより、整備された公園というか遊歩道というか、そんな感じで舗装や砂利道や階段でヘアピンカーブを繰り返し、あれよあれよと、ずんずん高度を上げる。・・・はっきり言って、きつい(^^;

この日は暖かい予報で、そのため、決して着込んできたわけではないのだが、登りがきつい事もあるが、何度も停まって、一枚また一枚と服を脱ぐことになる。湿った空気と強い日差し・・・。当日の気温は18度くらいだったようだが、冬の気温に慣れている体には厳しかった。最終的には暑がりな主人だけでなく、寒がりな作者までもが半袖になった。Gパンは汗を吸い、夏スラックスを履いてこなかった事を後悔した。まだ2月というのに・・・。

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山腹から富士山
気がつけば富士山

中腹で、ふと見ると富士山が見えた。が、この日の冬らしくない、どんより暖かい空気の向こうで富士山はちょっと霞んでいた。この後、富士山は山頂まで随所でお目にかかれる。

登りながら、主人が何度も言った、「これは城を作りたくなる地形だ」と。そう、ここは、岩殿城跡地である。山頂は城だった。麓には、あの桂川が天然のお堀となり、そしてこの急な登り。この辺って、この切り立った地形が特徴なんだな、と納得する。

注意書き
気になる、注意書きが。

意外にあっけなく「丸山公園」に到着する。10:12だった。斜面が急な分、何度も停まりながら、服脱ぎながらきたけど、入口から10分ちょっとだった。

「丸山公園」は、展望の良い丘があり登って富士山を眺めた。他には資料館らしきもの(ふれあい館)がある。最後のトイレがあるらしい看板もあったが、立ち寄らなかったので詳細不明。しかし、一番気になったのは、「クマ・イノシシ注意」「くさり場注意」の貼り紙だった。注意って、特に前者は、どう注意すれば(^^; 「熊避けの鈴」を未だに購入していなかった事を後悔しつつ、遭わない事を信じて進むのみである。今までに無い緊張感が漂う。。

ところで!このあたりで衝撃の事実に気付いた。なんとなんと、弁当を買い忘れたまじかよ。先を急ぐあまり、そのまま来てしまったのだ。このコース終わりまで、売店等は無い。今日は短いと思い、非常食の用意も無かった。あるのは、お茶と、小梅と、氷砂糖と、ルックチョコレートだけ。(この日はルックチョコレートで生き延びたようなものである・・・(−−;))

見下ろす
見下ろす・・・。
(クリックで拡大)

・・・という訳で、信じられないマヌケぶりに呆れつつ、ますます先を急ぐ事になった。ほとんど休まず、10:18出発。

岩壁迫る
ふもとから見えた
岩壁が目の前に・・・。

この先も、傾斜は緩む事は無い。この状態は想像していなかった。。。道は相変わらず、よ〜く整備されてはいるものの、ひたすら、厳しい傾斜である。(>_<)

丸山公園を出て15分ほどで、麓から見えたあの巨大な、岩殿山の特徴とも言える岩壁が目の前に迫り感動する。おおーっ、もうこの高さまで登ってきたのか、と・・・。

厳しい登り
きつい登り

そして繰り返しになるが、きっつ〜い階段と坂の登りが続く。(はっきり言って、なめていたのだった。。。)

岩壁とご対面のあと、6分「岩殿山頂・5分」「頂上近いぞ」との小さい道標が立つ、「兜岩・稚児落し」方面との分岐に至った。またここに戻る事になるのだが、ひとまずは岩殿山頂方面を選ぶ。そして、登りは続く。(^^;

この先は、城の跡地の案内板が増えてくる。実際には城そのものは、跡形も無いと言っても過言ではないのだが。(山頂に立つ岩殿城の解説板)

岩殿山頂には、10:45到着した。さっきの分岐から、へろへろ歩いて6分だった。●入口〜山頂 41分

山頂から
山頂から見下ろす

山頂からの景色は、広角レンズのカメラでも収まりきらないパノラマである。見下ろすと、この山の“絶壁ぶり”がうかがえる。今来た道が足下に丸見えだ。桂川の淵も、本当に深い。そして右手奥には富士山も見えたが、冬らしくない、ぼやけた印象でちょっと残念だった。

山頂付近は広めで、休憩にはもってこいという感じ。ところで、岩殿山頂には、実際には背後にアンテナの立つもっと高い丘がある。昔は烽火台があったらしい。先を急ぐ身ではあるが、とりあえず一番高い所は踏まねばとさらに登った。駆け足での山頂(岩殿城跡)見物と、お茶休憩をして、下山(そして続き)の途に着いたのは11:08だった。

記念写真 岩殿山頂

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急な下り
続きの道も、急な下り
分岐道標
分岐を、兜岩方面へ

まずは、来た道を下りる。下りは5分かからず、さきほどの分岐に到着して、いよいよ、鎖場のある兜岩方面へ向け前進を開始した。やっと「遊歩道」が終わって、「山道」になった感じだった。(もう、今日の登りらしい登りは終わりだ)と、心の中で思った。

その先、尾根歩きが続くかと思いきや、けっこう急な下りが断続的に続く。ところで、この日は風が強かった。日差しと汗、乾燥した地面とホコリにまみれての前進だった・・・。

11:24。分岐から10分程度で「築坂」という小広場の交差点に出る。一休みしたい雰囲気だが、黄色い看板で「注意:この付近にクマ出没注意必要」なんて書いてあるんだし・・・。そのまま前進だ。●岩殿山頂〜築坂峠 15分

「築坂」からさらに10分程度で、ついに最初の鎖場のふもとに到達した。

後半へ続く)

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