現地案内板 (画像クリックで拡大画像が見られます。) |
2004.05.09 現在、遊歩道一部、橋が崩壊し、通行困難な状態です。
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2004.08.13 追記。
2004.08.11に再訪しました。橋は既に修理されており、当然ですが残雪もなく、難なく(怖かった残雪の頃とくらべて拍子抜けでした)幕滝訪問を果たしてまいりました。(^^)/
水量は雪どけの頃と比べると、さすがに少なかったようです。それでも充分立派な滝でしたけど。
8/11のご報告は、また後ほどページを作ります。まずはご報告まで!
(↓以下、5/9残雪時期のレポートです。)
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幕滝は、磐梯吾妻スカイラインから遠望できる、落差約30mの名瀑である。福島の秘湯、幕川温泉から登山道のような遊歩道を歩けば、片道20分程度で滝のすぐそばまでたどり着けるという。
私が今回の旅行の宿を幕川温泉に決めたのは、この滝を訪ねる事が最大の目的だった。宿泊当日の夕方、磐梯吾妻スカイラインの滝見台からこの滝を遠望し、期待に胸膨らませながら幕川温泉へ向かった。
しかし、雪どけの季節であるため、もしや残雪で遊歩道は通れないなんてことは・・・という、一抹の不安は最初からあった。しかし、到着した水戸屋旅館の受付で聞いてみると、別な情報を入手する事になった。
「先日お泊りのお客さんの話では、遊歩道の橋が壊れており、幕滝までは到達不能らしいです。」
がーん。・・・しかしこれを目当てに東京からはるばる来た身としては、聞いた話だけでは諦められなかった。行ける所まででも行ってみようと朝5時に起きて身支度を整え出発した。
県道沿いにある、幕川温泉への看板。 |
東北自動車道 福島西ICからであればR115を南西へ、二本松ICからであればR459を北西へ向かう。磐越道の磐梯熱海ICから北上という手もありそうだ。
磐梯吾妻スカイライン入口のある、土湯峠を通る県道へと入る。幕川温泉の入口は、磐梯吾妻スカイライン入口のすぐそばにある(写真の看板)。
幕川温泉への細い道 |
ここから細い道に入る。細い道は全舗装だが、所により荒れており、普通車は譲り合わなければ、すれ違い困難。10分程度で、「幕滝探勝遊歩道」の案内板が立つ、小さな駐車スペース(?)が左手に現れる。そしてすぐ先が二件の宿のある、幕川温泉だ。
高速のICから、幕川温泉の駐車スペースまで、どのICからでも30〜35km(約1時間?)くらい。
※参考:今回の旅行のルートマップ。やや広域なマップだが、周辺の各ICとの位置関係と道順は確認できる。
今回は最初に書いてしまうが、当日は、案内板にも注意するよう書いてある、融雪時期だった。 はっきり言って初心者には危険である。
コース上にも、所々、残雪がある。所により、コースはべちゃべちゃである。雪や泥を蓄えたトレッキングシューズは、岩や木の上でよく滑る。そればかりか橋は壊れ、コース上に木は倒れ、この地の冬の厳しさを目のあたりにした時間だった・・・。
コースは勾配がキツイ部分があり、岩場もあるので、足元は夏場でもトレッキングシューズを推奨する。
遊歩道入口 |
冒頭に掲載した、現地の福島市の立てた案内板が、実によく出来ている。コースはそこに書いてある通りだ。そして遊歩道随所にも、道標が立つので迷う心配は、まず無い。
最初の橋。手すりが壊れている。 |
二つの宿の間から始まる遊歩道は、最初なだらかでよく整備され、この先の険しい道は想像するのが難しい。・・・この先も最後まで“整備”はされているのだが・・・。
最初の、まだなだらかな所から、雪の中を歩く場面はたびたびある。しかし、融雪時期とはいえ、この日の状況で言えば、残雪は僅かであり、慎重に進めたなら、橋さえ壊れていなければ最後まで行けた筈だった・・・。
最初の橋からまず、壊れていた。しかしこの橋は、手すりが無いのみで、問題なく渡れる。
2つ目の橋に向け、急下降になる。 |
最初の橋の後が急な下りになる。最初のうちは雪でベチャベチャだったが、すぐに乾いた。コースは石などで足場があるのだが、倒木で一部コース外を手を使いながら歩く事になる。
二つ目の橋。片側は崩れ、ナナメ。 (この写真は、帰り道に撮影) |
そして下りついた先に2つ目の橋。これは完全に片側が崩れ、ナナメで恐ろしい見た目だった。しかし、残る橋と手すりは、シッカリした状態だったので、手すりにつかまりながら一人ずつ慎重に渡った。
あとは、基本的には渓流沿いとなり、アップダウンは減る。だが、たびたび足場の悪い場面や、残雪を越えねばならぬので、なかなか気を抜けない。上流になるにつれ、足場も悪く、流れも強く激しくなる気がする。・・・「橋が壊れている」と聞いて、もしや役に立つかと「長靴」を持参していたが、そういうレベルの流れではなかった。
こんな岩場も越え・・・ |
歩き始めて18分、ついに左手前方の高い位置に、幕滝の上の方だけを、林越しに“チラリ”と見る。まだ遠いが、大きさが伝わる・・・。
橋が現れるたびに緊張するが、途中3つの橋は、さほど大きな損傷もなく、無事通過し、滝へ近付く。さっき“チラリ”と幕滝が見えたポイントから5分、そしてついに、最後の最後、対岸の岩越しに幕滝の落ち口が、見えている!・・・しかし、そこまで来た最後の橋が、一番激しく壊れていた。
この、最後の橋に関しては、柱しか残っていない。柱はシッカリしており、渡る事は不可能ではないように見えた。しかし、橋の下の流れは速く、しかもすぐ下流は小さいが落差もある。・・・まさに先週、屋久島の沢で死亡事故の報道があったばかり。男性陣は進んだが、女性陣はここで、涙を呑んで前進を諦めたのである。
無念の写真 ここまで来て、リタイア。 右上に幕滝の落ち口。 (画像クリックで 拡大画像) |
最後の橋。柱しか残っていない。 |
橋の手前で、こんなに距離があり回り込んでいる地形なのに飛んでくる、冷たい幕滝の飛沫だけを浴び続けながら、男性陣の帰りを待つ。
冷たい飛沫と、見上げる岩壁と、ちょっとだけ見える滝の落ち口から、滝の大きさを想像する。・・・その悔しかった時間は忘れられない。(「無念の写真(右)」を大きくしたのでクリックして、見てください。)
これは、今、進まなくても、危険を冒さずとも、橋がかかれば安全に拝める滝なのだと自分に言い聞かせ、再訪を誓いつつ滝を後にした。●この日のコンディションで、遊歩道入口から滝まで25分
幕滝。 展望台で写真を撮るのは息子(155cm)。 |
そんな、女性陣には悔しい幕滝訪問だったが、男性陣が写真を撮ってきたので掲載する。この景色は作者はまだ見ていない。
幕滝の写真 by Kim up。
最後の壊れた橋。 男性陣は這って橋を渡った。 |
二番目の橋のあとの、急な登り。 倒木で一部コースはふさがれ、 手を使いながら。 |
そして、帰りも、足元注意で帰ってきた。壊れていた2つめの橋から先の登りは、やっぱりきつかった・・・。
・・・幕川温泉まで戻ると、さっきまでの戦いがウソのように、つくしが背比べをしていた。●帰りは20分くらいだった。
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その1.幕川温泉では、2つの旅館で日帰り入浴もできる。温泉は白いお湯で、たいへん よい気持ちだった。お薦め。
幕川温泉の「水戸屋旅館」に泊まった。
その2.この遊歩道は、橋が流され、通行止めになる場合もままあるようなので、確実に滝を見たい人は、事前の問い合わせ必須と思われる。ただし、今回は融雪直後で、市からの現地調査がまだ との現地の人談であった・・・。
▼リンク・・・
★福島市のホームページ
・・・市の公式サイト。
★こらんしょ ふくしま
・・・福島観光協会のサイト。幕滝の情報有り。
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この次は、高速道路に乗って秋保大滝へ。
この記事は一泊二日の「南東北編:滝と温泉めぐり」の中の一部である。