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神奈川県

明神ヶ岳(後半)

2005.11.20(日)  初級向け  徒歩3時間32分  標高1169m  眺めよし 湯
鞍部・道標
道標の立つ鞍部で一休み

前半より続く)

やれやれ、くたびれた。陽だまりに座って休憩。持参した暖かいお茶がうまい。

…そしてここにも「明神明星コース案内図」なるものがあったが、我々の下山予定の道はやっぱり書いてないのだ(汗

ふもとから抜きつ抜かれつだった登山客と一緒になる。「何度も来ている」という話だったので、持参の資料コピーを見せて「この道がこの辺のコース図に載ってない」と話す。彼らはこの道は「知らない」「記憶に無い」と言った。…しかし近年発行の「るるぶ」にこれだけちゃんと書いてあるんだから大丈夫でしょ。という事で、なんとなく安心した。

林道

11:36出発。覚悟を決めて歩き始める。この先、りんどうの花が顔を出し始めて嬉しくなった。そしてこの先は、展望が良い部分が多い!この先も足場が悪かったり登っていたりはするのだが、展望のよさに舞い上がってしまっていたのか、写真を撮りに何度も足を停めてばかりだったのか、それほど厳しい道のりには感じなかった。

尾根道歩き
傾斜がゆるい尾根道

実際、傾斜がゆるい尾根道も増えてくる。さっきまでに比べたら格段に楽。歩けば、登れば、角度が違う新しい展望が開ける感じだった。所により小田原のも見える。

すれ違う人も増えてきた。そろそろか?そろそろか?と思いながら、なかなか着かない。道中は緩急を繰り返す登りではあるが、全般的に楽な道が続く。しかし頂上直下はお約束の急な登りが・・・などと想像するが最後はいがいとあっさり頂上に到着。12:23明神ヶ岳頂上を踏む!ひさしぶりにバンザイをしたくなる達成感を味わう。●鞍部〜頂上 45分

記念写真 明神ヶ岳 山頂

山頂
山頂風景

山頂の一角、日あたりの良い場所に陣取り、オムスビの昼食。本当はここでBigに見えるはずの富士山が雲に隠れて裾野がうっすら見えるだけだった事が唯一の残念。でも富士山以外は本当にすばらしい展望で非常に良い気分。日差しはぽかぽか…しかし風は冷たくて、オムスビを食べながら服を着込む。じっとしてると寒い。とっとと食べて、山頂をうろつき、展望を記憶に刻む。

展望最高!尾根歩き
尾根道あるき
急な下り
急な下りに

12:54 歩き出し。この先は下りと言っても、最初は展望が良くてなだらかな尾根歩きが続く。展望がよく、歩くと暖かでとても心地よい時間が流れた。しかし、この後は「マップに無い道」が控えているため、分かれ道時計には物凄く気を配りながら歩いた。

さて資料の地図によると「尾根上D」から左へ下る道が分かれるように見えるが、記事によると「尾根上Dからひと下りして、宮城野への下降点で尾根道と別れて左へ下る」とある。

なるほど道の傾斜はだんだんきつくなり、けっこう降りている気がしてくる。…反対側から登ってくる人のペースや、顔色、玉の汗が急な勾配を再確認させる。「ひと下り」というにはけっこう降りている気がしていた。・・・もし宮城野への下降点が見つからなかったら???今降りた道を戻り、ふたたび登るのはけっこう時間が取られるだろう事は容易に想像がついた・・・

さて、明らかに下り終わり、平らな尾根道をはさみ道が再び登りに転じるのが見渡せる場所についた。時間は途中靴紐を結びなおしたり写真を撮りに足を停めたとはいえ、予定のコースタイムの30分をまわっている。明らかにそろそろだと思った。●山頂〜道標(分岐) 30分

道標
問題の道標(結局ここが分岐
踏み跡
道標のすぐ横に踏み跡

平らな尾根道の途中に道標があり、ここから宮城野への道標を期待したが、道標には残念ながら直進の記載しかない。

←我々は写真の道を左奥から手前に向かってやってきた。この道標の脇の道端に窪みが見えるが、人が通るには無理があると思えるような水路のような、結局茂って見通しのきかない茂みで、踏み跡というには・・・これは怪しすぎる・・・。

道標の前で困っていると、前方からいかにも慣れた単独行の男性がやってきたのですかさず資料コピーを見せて聞いた。「この先に宮城野へ下りる道はありますか?」…そんな道は無かったと言いつつ困惑気味にリュックから広域地図を取り出す。あっ!それよ!今私が喉から手が出るほど欲しいもの!! 「あっ、これか。」その地図によると「一般コースではないが下山時の逃げ道に利用可」と書かれた点線がある。私達が降りたい道は明らかにそれ。

あつかましく地図を見せていただく。結局道が見つからなかった場合は??真っ直ぐ行けば矢倉沢峠へ出て、そこから下れば金時登山口バス停。ここから1時間半くらいで車道に出られる事を確認した。(もう一回明神ヶ岳へ登らずに帰れる…)

厚く厚くお礼を申し上げ、地図をお返しした。ありがとうございました m(__)m

時刻は13:43。分岐が無いのではしょうがない。真っ直ぐ進もうとしたその時だ。道標のすぐ先にも、ススキを踏み倒して左に降りた跡があった。これは明らかに人が通ったと思われる跡だった。道標右から左からも怪しい踏み跡・・・。まずは、ちょっと入ってみる事にした。左右の踏み跡はすぐに合流し、すぐに踏み跡ならぬちゃんとした山道があった!

明確に、道

もうちょっと進んで良いだろうと思った。多少茂ってはいたものの、明確に道があったからだ。廃道ではない。ある程度人が通っている道だ。文字情報にあるとおり、植林地をジグザグに降り、途中から水のない沢がある。探していた道は間違いなくこれだと確信していた。しかし・・・一抹の不安がある。なぜこの道は登山道でなくなったのか??この道を利用すれば、明神ヶ岳へ手軽な周回コースなのである。・・・もしやこの先通行不能閉鎖などがあるのでは・・???

途中で時刻は14:00を回る。冬の山の日は短い。確実に明るいのはあと2時間だ。この道は40分で車道出合の予定だが、もし行き止まりで戻るとすれば今度は登りなので40分では済まない。そしてさっきの分岐から最短の金時山バス停まで1時間半。途中で暗くなる可能性が高い。・・・明神ヶ岳の荒れた厳しい登り道が思いだされる。暗くなったら・・・このどんより曇りでは月も出ない。明かりも無い。立ち往生だ。暖かい飲み物はある。食料はお菓子程度しかない。サバイバルシートは持っているが、このところの冷え込みを考えると・・・

何度か涸れ沢を渡る
ここから出てきた。

不安な下山は、めちゃくちゃ足早であった。その先もうちょっと茂っている場所もあるが、道はちゃんとある。途中涸れ沢を渡る。朽ちかけの橋を渡る。その次にまた涸れ沢がる。今度は沢の周りの地面がえぐれている。岩ごろごろの涸れ沢に下りて、反対側は登る。必死なので難なくクリア。その涸れ沢はすぐ右手ががっくり欠けており、そこは昔は滝の落ち口だったか…などと想像させるが想像しただけで、素通り。

その先、平坦な植林地の中の整備された道に。「保安林」とか立て札があり人の出入りが伺えるような綺麗な道に。茂みの向こうに別荘の屋根か???と思われた白いモノは砂防ダムだった。行きに別荘の上端から間もなく砂防ダムがあったなぁと思い出しながら進み、今度は柵がある道に出て今度こそ別荘の屋根が見える。

14:23 文字情報どおり、別荘地の一角に下り着き車道と出合う。車道だ!山を出られた!助かった!ある意味、今日山頂に着いた時よりも嬉しかった。●分岐〜車道出合 40分

振り向けば、来た道に向けては、「明神岳登山口」などと気楽に書いてある道標が立っているではないか。・・・ちゃんと道はあったし・・・ここまでの不安な緊張感は何だったの?なんで登山道ではないんだろう???・・・

この先は別荘地の中を降りるのだが紅葉がすばらしい。さすが別荘、綺麗に染まる木を選んで植えているのだと思うが、舗装路を歩きながらキョロキョロ、歓声モノであった。この別荘地は広くけっこう歩く。東急の施設を見て、みやぎのという保養所を見たら、朝のマンションの変形十字路につきあたる。

道標に従い下りる

資料は朝来た道を戻れとあるが、宮城野支所前バス停からの順路をたしかめたいと思い、朝向かった登山道入口への坂道を下りた。朝と同じ徒歩5分で登山道入口、道路反対側の道標に従い、車道を外れる…が、またすぐに車道に出てしまった。この先は基本的に車道歩きだ。

何度か道を曲がり、路地を行くが「宮城野バス停・勘太郎の湯 この先徒歩×分」道標がことごとく登場するので、迷うようがない。・・・ふと、そんな気がして振り向くと、やっぱり(^^;)逆ルートだと道標がそこまで親切には、無かった。「勘太郎の湯」が設置した道標なのだろうか。明神ヶ岳へ向かう場合には迷うかもしれない。…これは、るるぶの言うとおり、往路が解り易いのは明神平バス停なのかもしれないと思った。15:00 「勘太郎の湯」着。●車道出合〜勘太郎の湯 40分

宮城野温泉「勘太郎の湯」

極楽の入浴を済ませ、今日の登山は心も体も緊張したので、まずは無事下山をビールで乾杯!ちょっとゆっくりして16:30過ぎに温泉を出た。すぐにバスが来て、ラッキーと思っていたら、バスは3バス停くらい走り、ピタリと停まった。「この先渋滞で、箱根湯本駅までは相当時間がかかる」旨。そして「この先宮ノ下駅から箱根登山電車への乗り換えが可能である」旨のアナウンスがあった。

結局バスには5分と乗らず「木賀温泉入口」バス停で下車。宮ノ下駅までは3バス停くらいという事だったが、夜道の車道を歩いた。幸いほんのり下り道で楽。3バス停という事で覚悟していたが距離は意外に近く、まもなく宮ノ下駅への案内板、そこから駅までは距離はすぐだが急坂の登り!バスを降りて徒歩早足10分程度、最後は汗だくで宮ノ下駅にたどり着いた。16:55。すぐ、16:57の電車がある♪

宮ノ下駅ホームは人があふれていた。満員登山電車がやってきた。詰め込み状態でみんな乗り、通勤ラッシュ状態の電車はスイッチバックなど停まりまくりながら、ちんたら走る。でも途中眼下にチラっと完全に止まっている渋滞の車道が見えた。きっとあのままバスに乗っていたよりは相当早いはず!

(今回の利用交通機関)
宮城野 16:35頃 箱根登山バス(小田原行き) 木賀温泉入口   ?
      (徒歩10分)        
宮ノ下 16:57 箱根登山電車(箱根湯本行) 箱根湯本 17:19 \260
箱根湯本 17:22 箱根登山線急行+小田急線急行(新宿行) 代々木上原 19:11 \1100
代々木上原 19:13 (千代田線 代々木上原行) 根津 19:37 \230

終点の箱根湯本では隣のホームに新宿行きの急行電車が待っている。座れてよかった。代々木上原駅でも下りたホームで千代田線が来る。すばらしい連絡なのだが、知っていたけどトイレに寄れない。ビール飲んで温泉を出て3時間以上・・・・。今回の箱根遠かった・・・。

 

今回の痛い教訓

  1. ちゃんとした「広域地図」を持参する。
  2. 「ヘッドランプ」を買う。(←以前も一度、懐中電灯持参を誓ったが装備していなかった。懐中電灯じゃだめだ。もう無いと、怖くて山には行けない。)

次のレポートは「勘太郎の湯」→

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