高根集落 橋手前にある「高根案内図」の一部。 「現在地」から、橋を渡って左折したら あとは道なりで鈴ヶ滝駐車場へ 行けそうに見えるが、 実際には、鈴ヶ滝へのダートには明確に「右折」する。 小滝はこんなに小さくないし、 あくまでも“イラストマップ”として見とくべし。 上流に「鼻声の滝」「つつみの滝」があるが、 林道は、鈴ヶ滝駐車場までで通行止め。 「夫婦滝」に向かうと思われる林道も通行止め。 インターネット上にも具体的な情報は見当たらず、 この滝達の全貌はナゾ。 |
ダートは砂利敷きの固い地面。 所により 轍が深い。 |
鈴ヶ滝駐車場。 駐車場というより「道がそこだけ広い」と表現した方が 正しい気もする。設備は何も無い。 写真左奥のイラストマップの左から遊歩道へ入る。 イラストマップ右には林道が続くが、「通行止」看板がある。 |
「義経も眺めたという名瀑 高さ55mの大滝と小滝」とツーリングマップルにコメントがある。日本の滝100選に選ばれている名瀑であり、現地付近に案内板も複数設置されているが、全て“マップ”ばかりであって、“謂れ”や“伝説”などの看板は一個も無い。
鈴ヶ滝は、他の新潟の100選の滝とは遠く、“離れ小島”状態にあり、新潟といっても北の方、山形県に食い込む形の地域の山奥に存在する。滝付近の徒歩自体は所要時間は、ハードというほどでもないが、車でのアプローチから考えて、遠方からの訪問者はこの滝に半日以上時間をかける心構えが必要。
電車バス:
最寄駅は羽越本線JR村上駅と思われる。滝は駅からは直線距離でも20数kmある。高根集落(滝手前8km)にはバス停はあるが、鈴ヶ滝方面へはバス等が通っている気配はない。
車:
国道7号羽州浜街道、ガソリンスタンドがある早稲田交差点から、県道205高根村上線へ入る(ここから鈴ヶ滝14km。案内板出る)。高根集落で橋を渡って川沿いの細い道へ左折(ここから鈴ヶ滝8km。地図・案内板あり。)した後は、しばらく舗装路を走る。舗装路はさほど問題無い道だが、所により、すれ違い困難なほど細かったり荒れていたりするのでちょっと注意。最後は道標に従い、橋の手前を右折(写真)・駐車場までダート部分は、3.2km。
鈴ヶ滝へのダートへ右折ポイント。 鈴ヶ滝とは見える大きさでは書いてないので通り過ぎ注意。 |
ダートの状態は:
固めのダートで勾配もきつくはない(勾配4°)ので、普通車でも通行困難ではない。が、ワダチがところにより深く、慎重に走る場所を選びながら進めても、カローラは往復1回ずつ底を擦った。
道幅は狭い。が、道幅を認識できる設備はあるので、谷底へ転落系の不安は無い。が、カーブが多くて見通しが悪く、すれ違い場所も少ないので、対向車に遭わない事を祈りながら、スローペースを強いられる辛い道だ。
でも、帰り道は、慣れもあってか下り道なせいか、往きに比べたら楽で短い道のりに感じた。
でもでも、こんな道なのに「通行量が多い」という事なので、休日などは特に、あんまり通りたくない。大切な大きめの車での進入は、絶対オススメしない。
余談だが:
滝付近は広範囲にわたりトイレも販売機も無い。後で調べたところ、県道に入る前に、国道7号早稲田交差点の南3km位置に道の駅朝日があるようなので、立ち寄っておくべき。
我々は当日は、道中コンビニに寄って、買い出しやトイレを済ませるつもりでいたが、北からの国道7号はコンビニ等が全然無かった。9時過ぎに旅館を出たあと、トイレも食料も無しで現地入りする事に。ちょっと心の余裕の無い滝見になってしまった。せっかくの名瀑を心底楽しむために、進入前の準備は早めに&万全に。
鈴ヶ滝駐車場にあるイラストマップ。 遊歩道は大雑把にはここに書いてある構造。 |
遊歩道の状況:
駐車場は上手く停めれば10台といったところか。駐車場から鈴ヶ滝までは、遊歩道徒歩15分。
遊歩道は基本的に「よく整備されている」。「よく整備されている」と言っても関東周辺のそれとは違い、イメージとしては、山道歩きと解した方がよい。「案内板があり、踏み跡明瞭のため、道がわからなくなる事はない。」「危うい場所には橋や階段、手すりなどが設置されている。」そういう意味の「整備」である。
コンディションにもよるのだとは思うが、トレッキングシューズと軍手は必須と思われた。・・・・・・現地で会ったおじさんはサンダルだったが。
遊歩道。最初はやや急な下り階段。 前方に小滝。 |
当日は、山形の日本海沿いの湯野浜温泉に宿泊し、09:20頃出発、車の流れに身を任せ、海沿い〜山間部の国道7号を行く。10:36、早稲田交差点左折。10:38、県道205に入る(鈴ヶ滝14kmの道標)。途中一度車を停めて道端で小休止を挟み、10:50、橋を渡って、高根集落案内板を見ながら左折。11:01、案内板に従い、ダートへ向かって右折。11:15、鈴ヶ滝駐車場到着。
小滝の下流を渡る。 |
遊歩道のコンディション…。 |
鈴が滝の碑を右手に見たらすぐ、吊橋。 |
身支度をして、案内マップの脇から、遊歩道に入る。11:21発。細い階段を下りていくのだが、もうすぐに、右手前方に小滝が見えてくる。そんな訳で3分と歩かず小滝が拝めるのだが、小滝と言っても落差38m、水量といい、形といい、作者個人的には好きなタイプで見ごたえ十分である。
小滝の前で5分ほどの時間を過ごして、続きを行く。小滝前は11:30発。
その先も、当分は下り道なのだが、足場が悪くなってきた。というか道に何か崩れてきちゃった感じだろうか。ゴロゴロの石やら倒木やらを乗り越え先へ進む。
まもなく、よくあちらこちらで写真で見かける、緑地に金色の文字で刻まれた「日本の滝100選 鈴ヶ滝」の碑が、遊歩道右手にある。碑を過ぎたら、吊橋である。吊橋は見た目古いが、そんなに怖い感じではない。怖い感じではないが、注意書きの言う事を聞いて、一人ずつ渡った。
吊橋を越えた先は今度は登り道になる。簡易な階段が設けられており、登っていくと右手前方に鈴ヶ滝の大きな姿が見えてくる。滝が見えてきたのは、11:40だった。
遊歩道最後は、足場が危うい。 |
滝壺へ下りるのは道というか踏跡。 |
それから滝の正面方面へ向け遊歩道は続くのだが、そこがまた足場が悪い。
さらに下りて行く事で、滝壺の前まで行けそうなのだが、ここはもう、本当に獣道というか、道というか、踏跡というのが正しい。
そんな道?なのに、雑草が生い茂り、足元が全く見えない上に、足元は赤土ヌルヌル状態で、実際に滑りやすく(滑ったってば)、当然手すりもなく、ここは、滑り落ちないように、とても神経使いながら下りた。怖かった。
滝壺の前に立ったのは、11:48だった。駐車場から徒歩正味20分といったところか。
鈴ヶ滝は、評判に負けないすばらしい迫力とスケールを誇る滝であった。滝の前では、写真を撮ったり、あっちからもこっちからも眺めたり、20分ほどの時間を過ごした。
・・・本当はここで「滝の前でオムスビ」したいところだったが、最初に書いたようにまるっきり買えそうな店に寄れないまま、手ぶらでここまで来てしまったので、昼食とトイレを求めて、帰るほか無い。
12:06、滝壺をあとにする。振り向き、振り向き、鈴ヶ滝の写真を撮りながらの帰路だった。ちょっと名残惜しかった・・・。
帰り道は戻り道である。
ただ、往路は、滝見たさに脇目もふらずに先を急いでいたフシがある。帰り道は、往路よりも、足場の悪さがもうう一段気になった。遊歩道上を、じゃぶじゃぶ、水が流れているではないか。滝壺前の道もヌルヌルだったし、雨降ったあとなのかな?
吊橋を渡り、遊歩道は登りに差し掛かり、小滝が見えてきた。たしかに足場が悪かった覚えはあるが、こんなにゴロゴロしてたっけな?
小滝を過ぎ、駐車場までは登り階段である。あとは帰るだけの、真夏の登り道は、さほど長くはない道のりとはいえ、しんどさが際立った。息を切らしながら駐車場にたどり着いたのは12:22だった。
事前情報の「徒歩15分」に、作者は、もうチョット、気軽な印象をもっていたのだ。実際に所要時間は片道約15分に違いなかったのだが、山道をみっちり下りて、みっちり登る印象だったこの道の「徒歩15分」は、ちょっとだけ心の準備が必要だったのだと思ったのだった。
駐車場に戻ってから、すぐに車を出したので、現地滞在は約1時間だったのだが、繰り返しになるが、ちゃんと準備してきて1時間半くらいはここで時間をとらないと、鈴ヶ滝とその周辺は、ちと、もったいなかったなぁ・・・。
鈴ヶ滝からは、途中までは戻り道で、その後そのまま新潟の日本海に向かった。村上の町を抜けて、日本海の昼食にありついたのは13:20頃だった。
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この記事は山形+新潟
日本海側滝めぐり の一部です。
100選メグラーの方へ。前述のように新潟の他の100選は遠いので、ハシゴするなら山形の 白糸の滝、七ツ滝である。